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2021年12月10日

卒業研究16-人間-空気環境系研究室

いつもの年一ペースでのご紹介です。今年度のゼミでの研究をご紹介します。

当研究室は、人の生活周辺の空気質・においと人との関係を研究しています。
今年度も4年生7名の7テーマ体制で行っています。

人と空気の関係を知るため、人に空気をぶつけて(嗅がせて)心理評価をしてもらうことが主な手法ですので、前年度と同様に感染症予防に対してどうするかということが悩みの種でした。
とはいえ、なんだか元気に実験を終えてくれて、あとは月末の卒研(論文)の提出まで詰めてまとめていくという段階に入ってくれています。毎年思いますが、頼もしいことです。

さて、ではそれぞれのご紹介を。
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まずは鼻印の研究です。わかりにくい街路などで、においで目印的なことができるのかということを実験で明らかにしていきたいという内容でした。廊下のあちこちにアロマディフューザーが吊るされて、歩行者が位置を覚えたか調べました。

次は、においの伝達手法の研究です。
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一昨年度に取り組んでくれたテーマをさらに進める形で、においをモノの名前ではなく色や形やオノマトペで表現できるかどうかについてさらに詳しく検討しました。

続きをやってくれたということでは、今年度もにおいのマスキングを予測するための方法の検討・検証について、研究を進めてくれました。
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シソ香でやってみました。

他にも、においが時間評価に及ぼす影響の第3弾にも取り組んでくれました。
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においの快・不快が感じている時間の長さに影響するのか?ということを、マスキング効果と絡めて検討しました。不快臭だけの時間評価とマスキングされたにおい環境下での時間評価とを比べるような実験です。

さらに久しぶりに記憶・経験がにおい評価に及ぼす影響の研究にも取り組んでもらいました。
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評価時の写真が見つからなかったので、におい試料作製時の風景です。墨ですね…。

そして、知的作業関連では、今年度は運転時の注意をテーマに、香りと注意力の関係の研究をしてくれました。
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採点が大変なヤツです。

あと、視覚情報と嗅覚情報の組合せで購買意欲が高まるのか?というテーマも取組んでくれています。これは、竹村の前職の頃の卒業研究の続きということで、8年ぶりのテーマです。
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これも試料作製風景を。

こんな感じで実験に取組むゼミですので、においの濃度測定(三点比較式臭袋法)など全員で一丸となって動くことが多いです。今年度も実験日程は全部消化してくれましたので、あとはまとめあげられるかどうか…。月末までしっかりと頑張ってほしいです。
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室内環境学会誌で当ゼミが紹介されています。
⇒[室内環境学会誌24巻 2号]

⇒[人間・空気環境系研究室